2025/10/13 07:00

むかしむかし、丘のふもとの村に、一匹のカメが住んでいました。

 

カメの名はルウ。とてもおそいカメで、村の子どもたちには「いつまでたっても来ないルウ」とからかわれていました。でもルウには、誰にも負けない夢がありました。それは「丘のてっぺんまで走って登る」こと。

 

丘の上には、夜になると流れ星がよく見える場所があり、「流星の丘」と呼ばれていました。ルウは毎晩その丘を見上げては、星に願いました。

 

「いつか、自分の足で、あそこに登りたい」

 

ある日、村の広場で、森の奥から旅してきたウサギが料理屋をひらきました。名をパピといい、旅する料理人でありランナーでもあるとのこと。パピはルウの夢を聞き、こう言いました。

 

「いいかい、ルウ。走るというのは、速さのことじゃない。続けることなんだ。そして、続けるには体も心も元気じゃなきゃいけない。まずはこれを食べてごらん」

 

パピは一皿の料理をルウに差し出しました。

 

【ランナーズ卵サンド】

 

<材料>

・卵 2個

・食パン 2枚

・バター 少々

・マヨネーズ 小さじ1

・ランナーズスパイス 小さじ1

 

<作り方>

1. 卵を軽く焼き、マヨネーズとスパイスを混ぜる。

2. バターを塗ったパンに挟む。

3. 半分に切る

 

 

ルウはひとくち食べて、思わず「おいしい」とつぶやきました。不思議と、体の芯がぽかぽかと温かくなっていくようでした。

 

「少しずつ登ってみなよ」とパピは言いました。「毎日一歩ずつ。それだけで十分さ」

 

それからルウは、毎朝、丘のふもとから一歩ずつ登りはじめました。三歩で疲れていた最初のころ。それでもルウは、あきらめず続けました。パピの卵サンドを食べながら。

 

季節がめぐり、風が春の匂いをまとったころ、ルウは気がつきました。

 

丘のてっぺんまで、あと十歩のところにいたのです。

 

その夜、ルウはゆっくりと最後の十歩を踏みしめて、ついに「流星の丘」に立ちました。空にはいくつもの流れ星がきらめいていました。

 

パピもやってきて、言いました。

 

「君は今日、丘を登った。そして君が見上げていた星と、今、目線が同じになったんだ」

 

ルウは黙って空を見上げていました。胸の奥で、あたたかいものがじんわりとひろがっていきました。

 

 

(教訓) 走るとは、続けること。夢とは、見上げるものじゃなく、自分の足で近づくもの。

 ひとあし進むたび、香りが励ましてくれる。

がんばる日も、休む日も、香りは味方。

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