2025/12/15 07:00
下駄箱の隅っこに、古い運動靴がありました。名前は右足がラン太、左足がラン子。もう何年も履かれていません。新しい靴がたくさん来て、二人はすっかり忘れられていました。「僕たち、もう走れないのかな」とラ...
2025/12/12 20:00
空の王者である鷹のシンは、いつも一人だった。「私は誰よりも速く、誰よりも高く飛べる。仲間など必要ない」と彼は信じていた。ある年、大陸横断マラソンが開催されることになった。シンは当然のように参加を決...
2025/12/08 07:00
森の入り口に、兎の姉妹が住んでいました。姉のミミは天性のランナーで、軽々と長距離を走ります。妹のモモは走るのは大好きだけど、姉ほどの才能はありません。ある日、森のハーフマラソン大会が開催されること...
2025/12/07 23:28
海辺の小さな村に、一日じゅう走り回っている少年がいた。名はナオ。波打ち際を、風と競うようにして駆けていた。「風になんて負けない!」そう叫びながら、裸足で砂浜を蹴る。ある日、岬の上に立つ老人が、彼を...
2025/12/01 07:00
第9集 一匙、ひとあし① はこちら↗砂漠を走るラクダがいた。名をカリムという。若いころのカリムは誇り高く、群れの中でも誰よりも脚が速かった。朝焼けの砂丘を駆けるたびに、仲間たちはその足跡を見て感嘆した...
2025/11/28 20:00
平成から令和へ 時代は昭和から平成、そして令和へと移り変わった。しかし箱根駅伝の人気は衰えることがなかった。それどころか、その魅力は年々増していた。 正月二日、三日の二日間。全国のテレビ視...
2025/11/24 07:00
昭和三十年代 高度経済成長の波に乗って、日本は目覚ましい発展を遂げていた。箱根駅伝もまた、戦後復活から十年余りを経て、新たな段階に入っていた。 何より大きな変化は、テレビ中継の開始だった。...
2025/11/21 20:00
昭和二十二年 敗戦から二年。焼け野原となった東京は、徐々にではあるが復興の兆しを見せ始めていた。進駐軍の統治下にあった日本で、スポーツ界も新たな息づかいを取り戻そうとしていた。 関東学生陸...
2025/11/17 07:00
昭和十五年 支那事変の拡大と共に、日本は戦争の泥沼へと足を踏み入れていた。箱根駅伝も二十回の記念大会を迎えていたが、時代の暗雲がその上空に垂れ込めていた。 関東学生陸上競技連盟の会議室で、...
2025/11/14 20:00
~プロローグ 雪解けの道~ 大正九年の冬は殊更に厳しかった。東京の街角に立つ男の吐息が白く煙り、凍てついた石畳に散っていく。金栗四三は厚手のコートに身を包み、遠く富士の方角を見つめていた。四十...
2025/11/10 07:00
十二月に入ったばかりの高知は、まだ温暖で走りやすい気候だった。桂浜から市内に向かって走っていると、太平洋の青い海が美しく輝いている。坂本龍馬の銅像を横目に見ながら、今日の目的地である日曜市に向かっ...
2025/11/07 20:00
新潟の魚沼地方を走っていると、雪がちらつき始めた。十一月下旬の越後は、本格的な雪国の季節を迎えようとしている。八海山の頂上付近はすでに真っ白で、里にも間もなく雪が降り積もることを告げていた。 ...
2025/11/03 07:00
上田から千曲川沿いを走っていると、川の向こうに真田の郷が見える。十一月に入った信州は、既に朝夕の冷え込みが厳しく息が白くなる。でも日中の陽射しは暖かく、走っていると汗ばんでくる。 今日の目的地...
2025/10/31 20:00
猪苗代湖畔を走っていると、湖面に映る磐梯山が美しい。十月下旬の会津は紅葉が見頃で、山々が赤や黄色に染まっている。風は冷たいけれど、陽射しは暖かく、走るには最適の季節だ。 会津若松の市内に戻って...
2025/10/27 07:00
~前書き~ 郷土料理とは、その土地の風土と歴史が生み出した食の文化である。気候や地形、そこで採れる食材、そして代々受け継がれてきた調理法が織りなす、まさに「土地の味」と呼ぶべき存在だ。 北...














