2025/10/17 20:00

森の中で一番賢いと言われるキツネのケンは、なんでも完璧にこなさなければ気が済まない性格でした。

ある日、ケンはランニングを始めることにしました。

 

「走るからには、完璧なフォーム、完璧な装備、完璧な計画が必要だ!」

 

ケンは3ヶ月かけて、ランニングシューズを選び、ウェアを吟味し、最新のランニングウォッチを購入しました。さらに、有名なランナーが書いた本を20冊読み、理想的なトレーニング計画を立てました。

 

そして完璧な準備が整った日、ケンは初めて走り出しました。しかし、100メートルも走らないうちに、フォームが崩れていることに気づきました。

 

「これじゃダメだ。もう一度、フォームを勉強し直さないと」

 

ケンは走るのをやめ、また本を読み始めました。

2週間後、再び走り出しましたが、今度は呼吸法が間違っていると感じて、すぐに中止しました。

 

こんなパターンが何度も繰り返されます。

ケンは走るたびに、何かが「完璧」でないことを見つけては、走ることをやめてしまうのです。

 

そんなケンを見かねたリスのおばさんが声をかけました。

 

「完璧を求めるのもいいけれど、まずは走る楽しさを知ることが大切じゃないかい? 私の作る簡単な料理を食べて、気楽に走ってごらんよ」

 

 

【シンプル元気おにぎり】

 

<材料>

・ ご飯 茶碗2杯分

・ 鮭フレーク 大さじ2

・ 青のり 小さじ1

・ ランナーズスパイス 小さじ2

・ 塩 少々

 

<作り方>

1. 温かいご飯にランナーズスパイス、鮭フレーク、青のりを混ぜ込む

2. 手に塩をつけて、ご飯を3等分にしてそれぞれおにぎりを握る

3. 海苔で巻いて完成

 

 

「こんな簡単なもので...」とケンは最初は不満そうでした。でも、おにぎりを一口食べると、その美味しさに驚きました。

 

「ランナーズスパイスが入っているから、エネルギーもしっかり補給できるよ。さあ、これを食べて、何も考えずに走ってごらん」

 

リスのおばさんに勧められ、ケンは重い腰を上げました。

そして今度は、フォームのことも、呼吸法のことも、何も考えずに走りました。

 

最初は変な感じがしました。

でも、森の中を風を切って走る爽快感、心地よい疲労感、走った後の達成感。

これまで感じたことのない喜びが、ケンの心を満たしました。

 

「これが...走る楽しさなんだ」

 

それからは、完璧さを求めることをやめました。多少フォームが崩れても、時には歩いてしまっても、それでも走り続けました。

半年後、ケンは20キロのレースにでました。

完走し、心から笑顔になれたのです。

 

(教訓)完璧を求めすぎると、大切なことを見失う。まずは始めること、続けることが何より重要である。

 

ひとあし進むたび、香りが励ましてくれる。

小さな一匙で、大きな一歩を。

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